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2007.11.08 | Operation 

内視鏡下静脈グラフト採取での下肢血管バイパス術

 

皮膚を切らずに長い静脈が採取可能に

 

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閉塞性動脈硬化症の患者さんに対する治療は
1、カテーテル治療
2、手術治療(下肢動脈バイパス術)
があります。カテーテル治療は皮膚を切らずにカテーテルを血管内に挿入させ、閉塞している場所を風船やステントで広げます。皮膚を切らない利点はありますが、閉塞している場合には不可能な場合や、再発しやすいと言われています。

手術治療は閉塞している血管をまたいでバイパスするわけですが、皮膚を2ヶ所それぞれ約3cm切らなければなりません。バイパスするグラフトも以下の2種類あります。
1、自分の静脈
2、人工血管

 

自分の静脈は人工血管に比べ、長持ちして再発しにくいという利点がありますが、自分の静脈を約30cmほど採取するために、大きな皮膚切開が必要になります。それによる創部の感染の危険性も増加し、また創部の痛みも残ります。
当院では、冠動脈バイパス術で行っている内視鏡下静脈グラフト採取術をこの下肢動脈硬化症の手術にも応用しました。この方法によって、静脈採取のための30cm近い皮膚切開を行わずに、最小限の皮膚切開(3cm)で自分の静脈によるバイパス術が可能となりました。

 

 

 

 

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