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2006.07.20 | Operation 

動脈管開存症

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70歳代になって見つかった動脈管開存症です。左心室に長年負荷がかかり、心房細動、僧帽弁閉鎖不全も合併していました。手術は人工心肺装置心停止下に、肺動脈切開にて動脈管の流入部を閉鎖し、僧帽弁形成術、心房細動手術(冷凍凝固による左房隔離)を行いました。弁の逆流と不整脈も消失しました。

 

 

動脈管開存症

大動脈と肺動脈がつながっている病気です。先天性心疾患の10%と言われていますが、ほとんど小児期までに手術をします。本来、大動脈の血液はすべて全身に流れていきますが、動脈管開存症では、大動脈から肺動脈に流れて空回りします。よって、肺の血流が増大し、左心室が拡大し最後に、心不全、呼吸不全となります。
診察では特有の心雑音が聞こえます。心臓超音波検査で、はっきりした診断がつきます。レントゲンでも心拡大、肺動脈の拡張などが認めます。心電図でも左心室の肥大所見を認めます。
症状としては動悸、息切れ、呼吸困難をみとめることが多いです。
小さな動脈管開存では小児期に手術せず、大人になることがありますが、将来心不全、心臓内の感染の危険性もあり、手術をお勧めします。
手術は胸を小さく開けて、つながっている血管を分離します。血管が石のように固くなっている場合は、人工心肺装置を使い、血圧を低く調節して安全に手術をおこなう場合もあります。

心臓血管病を理解しよう

 

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