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2006.04.29 | Operation 

バルサルバ洞動脈瘤破裂

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静岡でバルサルバ洞動脈瘤破裂の手術を経験しました。
バルサルバ洞動脈瘤破裂は、非常にめずらしい心臓病ですが、診断から治療まで確立し、適切な外科治療でお元気なる病気です。ほとんどが生まれつきですが、破裂して初めて症状がでる病気で、大人になって手術になる場合が多いです。
バルサルバ洞とは大動脈弁の直上にある大動脈の底の場所で、そこの壁が薄くなり、次第に瘤のように膨れてくるのをバルサルバ洞動脈瘤といいます。壁が薄くなるのはほとんどが生まれつきですが、血管の病気、動脈硬化、感染が原因のこともあります。
こぶのように膨れても(すなわち瘤になっても)、ほとんど心臓の機能に影響しませんが、動脈の圧に耐えかねて破裂すると、症状がでてきます。瘤の破裂によって大動脈の血液は右心室または右房に流入します。これによって、心臓への血流が増え、心不全をきたします。ショック状態になるほどの重症から、なんとなく息苦しい程度の軽症まであります。

 

 

診察

突然の息苦しさ、呼吸困難の症状を認め、特有の連続性雑音があれば、バルサルバ洞動脈瘤破裂を疑います。

 

胸部レントゲン写真

心臓の拡大、肺のうっ血すなわち心不全の所見が見られます。

 

心臓超音波検査

大動脈弁の直上に瘤の様なものが見え、血液が大動脈から右心室あるいは右房に異常に漏れているのを見て診断が確定できます。大動脈弁の逆流、他の心臓病の合併(心室中隔欠損症)の診断が可能となります。

 

治療は必要?

破裂している場合は、まず心不全の治療をして落ち着いてから外科治療が必要となります。心不全治療が無効な場合の重症例は緊急での手術が必要ともなります。

 

手術は

大動脈と右心室を開けて、薄くなった瘤を切除し、パッチで閉鎖します。手術は約3時間ほどで終わります。

 

術後は
修復がうまくいけば、術後は次第に回復し、元の心臓に戻ります。
https://www.nagoya.tokushukai.or.jp/wp/heart_cardiopathy/1695.html

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