心臓病を理解しよう

心筋炎

心筋炎とは

心臓の筋肉の炎症を心筋炎と言います。さまざまなタイプの心筋炎があり、急性、慢性、劇症型、拡張型心筋症類似型と幅広く、発症期間も数時間から1,2週間あるいはさらに長期間となり、予後もまったく正常化するものから死に至るものまで様々です。 心筋に炎症が起こる原因として、ウイルスが最も多く、心筋炎と言えばウイルス性心筋炎のことを言う場合もあります。他に細菌、毒素、薬、原虫、全身性の病気(例:エイズ)も原因のひとつと言われています。はっきりした診断が難しく、程度もさまざまで見過ごされることも多いのが特徴です。40歳以下の突然死の20%が心筋炎とも言われており、以外に恐ろしい病気の一つです。しかし、ウイルスに感染すると必ず心筋炎になるわけではありません。風邪気味であるとか体調が悪い場合には無理をしないようにしましょう。

 

 

心筋炎の症状は

前駆症状として発熱、咳、関節痛などの風邪症状があります。その後、心筋炎を発症します。ほとんどの風邪の患者さんは心筋炎に移行するわけではありませんので、神経質になる必要はありません。心筋炎の症状ですが、無症状のものから呼吸困難、ショック状態あるいは突然死に至るまでさまざまです。一般的には息切れ(心筋炎の70%)、胸痛(30%)です。急性心筋梗塞に似た症状のことがよくあります。不整脈(18%)による動悸、失神も見られます。

 

心筋炎の診断

 

心電図で何がわかる?
心電図では特異的な所見がでる場合があります。ST-Tの変化です。また、期外収縮、完全房室ブロックなどの不整脈も出現することがあり、突然死の原因と言われています。

 

胸部レントゲン検査で何がわかる?
心拡大あるいは肺うっ血の所見があります。

 

心臓超音波検査で何がわかる?
心収縮力の低下、心筋の拡張、肥大を認める場合があります。

 

血液で何がわかる?
白血球の上昇、CPKの上昇が見られることがあります。培養で細菌の検出、ウイルス抗体を測定することによって診断の補助となることがあります。

 

最終診断は
最終診断をつけるのが難しい病気です。ウイルスを検出することも困難です。また、心筋炎と診断しても、ウイルスを検出してもそれに対する特効薬があるわけではなく、あくまでも心不全、不整脈に対する対症療法が主となります。最終診断として心筋を一部採取(心筋バイオプシー)して顕微鏡で心筋の炎症があるかどうかみることもあります。最近はMRIで心筋の性情を観察することによって、心筋炎の診断の助けになることも報告されています。心 臓の調子の悪い場合にのみ治療を行います。心不全の程度、不整脈に対する治療となります。軽度であれば、様子を見ますが、心不全の程度が強い場合は強心 剤、利尿剤そしてひどい場合は人工呼吸と心臓に負担のかからない治療を行います。さらにひどく心臓が全身の循環を維持できない場合は人工心肺装置、左心補 助装置を使い心臓をサポートする場合もあります。免疫抑制剤、抗ウイルス薬の投与も効果があると言う報告もありますが、確立されていません。

 

 

治療は

心臓の調子の悪い場合にのみ治療を行います。心不全の程度、不整脈に対する治療となります。軽度であれば、様子を見ますが、心不全の程度が強い場合は強心剤、利尿剤そしてひどい場合は人工呼吸と心臓に負担のかからない治療を行います。さらにひどく心臓が全身の循環を維持できない場合は人工心肺装置、左心補助装置を使い心臓をサポートする場合もあります。免疫抑制剤、抗ウイルス薬の投与も効果があると言う報告もありますが、確立されていません。

 

 

劇症型心筋炎

心筋炎の中でも心臓の機能が極端にかつ急激に低下し、全身の循環が維持できなくなる場合を劇症型心筋炎と言います。強心剤、人工呼吸でも循環を維持できず、人工心肺装置を装着して心臓の回復を待つしかない場合もあります。風邪のような症状から突然心臓の機能が悪化し心停止にまで至る恐ろしい病気です。緊急での人工心肺装置として経皮的心肺補助装置(PCPS)を使用することが多くなります。経皮的カテーテル左心補助装置(IMPELLA)によって左室の補助を低侵襲で行うことが可能となりました。数日から1週間程度で心臓の機能が回復することが多いのですが回復しない場合は左心人工補助装置あるいは両心人工補助装置を取り付けて、長期間心臓の回復を待つか心臓移植を待つかになる場合もあります。心筋炎1