インプラントについて
歯の働き
歯には食べ物を噛み砕いたり、発音の助けをしたり、また表情の一部にもなり、重要な役割がたく
さんあります。また、最近は歯と身体の健康の関係も調査されており、歯がなく、よく噛めない方は、歯があり、よく噛める方と比べて認知症になるリスクが高いと言われています。
噛むということはとても重要であり、よく噛んで食べることで食べ物の情報が脳に伝わります。食べ物を目で認識し、匂いをかぎ、手で口に運び、噛んで、味を感じ、飲み込むことで脳に刺激を与え
活発化させます。また、よく噛むことで口の周りの筋力低下を抑え、飲み込みの力の低下を抑えるこ
とができます。さらに、噛むことで唾液の量が増え自浄作用も期待できます。
このように、歯でよく噛むことは身体にとってもとても重要な役割を担っています。しかし歯は、
虫歯や歯周病、外傷(けが)などが原因で、失ってしまうことがあります。失った歯が1本だけであれば噛むという働き自体は大きな低下はありませんが、それを放置しておくと、両隣の歯が倒れてきたり、噛み合っていた向い合う歯が伸びてきたりして、噛み合わせに狂いが生じます。すると、発音がしづらくなったり、うまく噛めなくなって食事の際に支障が出るほか、歯と歯のすき間が広がって
食べかすが挟まりやすくなり、虫歯や歯周病になりやすくなってしまいます。
インプラントについて
歯を失ったときの治療法のひとつにインプラントという方法があります。インプラントは歯を失った部分の顎の骨に人工の歯根を埋め込み、人工の歯を作る治療法です。
歯を失ったとき、通常の歯科治療の場合、ブリッジや入れ歯といった治療法があります。
これらの方法は、両隣の歯を削ってブリッジを作ったり、周りの歯を削って残っている歯に義歯を
安定させるための装置を付けたりするため、残った歯の負担が大きくなってしまいますが、インプラント治療は周りの歯へ負担をかけずに治療をおこなうことができます。
その他にも、見た目や噛む力、感覚は天然の歯に近く、取り外しの必要がない等の利点があります。しかし、インプラント治療には欠点もあり、その1つが外科的な手術が必要であるということです。
▲天然の歯とインプラント(implant)の違い
さいごに
患者さんの中には狭心症や脳梗塞などの病気で血液をサラサラにする薬を内服しており、インプラント手術に対して出血の不安がある方もいると思います。また、顎の骨が不足している場合、そのままではインプラントを埋め込むことが困難な方もいると思います。しかし、当科では出血に対し準備万端なうえ、静脈内鎮静法という点滴から眠り薬を流す方法を併用し、リラックスした状態で手術を受けることも可能です。また骨が不足している場合は、骨を補填する処置にも対応しております。
もしインプラントに関して何かお悩みがございましたら一度ご相談ください。