
2025.03.01 | Topics
パルスフィールドアブレーション(PFA)は、特殊な電気パルスで心臓の標的部位を選択的に治療する新技術です。他の組織にほとんど影響を与えないため安全性が高く、治療時間が短いのも特徴です。心房細動は肺静脈から発信される異常な電気信号により、心臓のリズムが乱れる不整脈の一種です。心臓全体の機能低下を招くことから、長く続くと心不全を引き起こすこともあります。また、血流が停滞して血液の塊(血栓)ができ、血流に乗って脳の血管を詰まらせると、脳梗塞を引き起こす原因となります。これらを防ぐためにも早期発見・早期治療が重要です。
―熱を発せず安全性が 高く治療時間も短い-
当院ではFARAPULSEを導入し、1月29日に1例目を実施しました。加藤千雄院長は「通常、合併症を回避するため、食道の温度を計りながらアブレーションを行いますが、PFAには必要ないため手術時間の短縮につながります。当院では、PFAの適応疾患ではない患者さんに対し、今後も積極的にRFAを行います。繊細なカテーテル操作が必要なRFAは、若手医師の育成にも必要だと考えています」と指摘しました。
―当院では世界初症例奏功―
また同院では2月に、心不全に対しインペラ(補助循環用ポンプカテーテル)を挿入した後、発作性心房細動を発症し状態が悪化、インペラ離脱が困難になった患者さんにPFAを施行し、世界で初めて奏功。加藤院長は「PFAのパルスがインペラに影響を及ぼさないか心配でしたが、これしか方法がありませんでした。結果、患者さんは一命を取り留め、ICU(集中治療室)から一般病棟へ移り、退院しました」。
さらに「PFAの導入により、循環動態の悪い症例にもアブレーションが実施できるようになり、造影剤が必要ないなど身体的負担も軽くなりました。当院でも夏頃に、PFAに用いる新しいカテーテルを導入予定です。今後も心房細動の早期発見・早期治療に努めていきます」と述べました。
|
![]() |
| ▲PFAの1例目施行後に記念撮影 | ▲インペラを挿入した患者さんにPFAを実施、世界で初めて奏功 |