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2026.10.16 | Topics Operation 

TAVI(経カテーテル的大動脈弁植え込み術)が500症例を突破

このたび、名古屋徳洲会総合病院では、TAVI(経カテーテル大動脈弁留置術)の累計症例数が500例に到達しました!

TAVIは、重症の大動脈弁狭窄症に対して、胸を大きく切開することなく、カテーテルを用いて人工弁を留置する治療法です。

今回の500例達成は、患者さんやご家族、地域の医療機関の皆さまをはじめ、多くの方々のご理解とご協力があってこその成果です。

これからも多職種が連携し、一人ひとりの患者さんに適した、安全で質の高い医療の提供に努めてまいります。

今後とも名古屋徳洲会総合病院をよろしくお願いいたします。

▲TAVI治療に携わるスタッフたち

​田中循環器内科部長コメント

皆さん、TAVIという治療をご存じでしょうか。

径カテーテル的大動脈弁植え込み術(Transcatheter Aortic Valve Implantation )のことで、弁膜症に対するカテーテル手術の1つのことです。

先日当院で500例目のTAVIが無事終了しました。2015年8月に1症例目を施行したことを今でも覚えています。最初の頃は、術前に超音波検査所見やCTのデータを細かく解析して専用サイトにアップロードし、それを海外の専門医に見てもらって、治療許可をもらい、そのうえで、当日来る海外指導医にスライドを使ってプレゼンをして、やっと症例を行う、という流れでした。さらに当日のスタッフの役割、治療の流れ、弁留置時の各スタッフのセリフまで(演劇の台本のように)作成して共有していました。その頃は、TAVIを1例施行するのにPCIを10例施行するくらい大変だと言っていたのを覚えています。

このTAVIという治療は、じつは循環器領域においてすごく革命的な治療だったんです。カテーテル治療がこの四半世紀でさまざまな分野で進化しましたが、当時弁膜症の分野だけはカテーテルが入り込めない未踏の地、暗黒大陸とも言える領域でした。当時の外科の先生にも、「実際の手術時の硬い大動脈弁を見たらカテーテルバルーンで拡げて弁を置くなんてとても無理だと思うよ(そりゃ悪手だろ)」って言われました。そのため厳しい施設認定をクリアした数少ない選ばれた施設しか施行できませんし、私自身も日本初のTAVI施行施設で最多症例数を誇る大阪大学に定期的に通ってノウハウを学んで、慎重にこの治療に挑みました。でも結果的には、災厄(リスク)ではなく、大きな希望(リターン)をもたらすものでした。この高齢社会で、多くの方が弁膜症を抱えています。それが30分程度のカテーテル手技で治せて(手術室の入退室時間としては2時間)、翌日歩行も可能で、その先10年以上その弁膜症で困ることはない、これは大動脈弁狭窄症がきわめて予後が悪い病気であることも含めて考えると、他のカテーテル治療にもない圧倒的効果をもたらす革命的治療となりました。さらに今や僧帽弁までカテーテル手術が可能になり、弁膜症による心不全で困っている高齢者の希望になっています。また近日には三尖弁にまで治療が可能になります。この領域はまださらなる進化を遂げる見込みで、こう考えると、ますます心臓治療は限られた施設に集約化していく流れとなっています。

このTAVIをきっかけに、広い範囲の地域の先生から紹介を受けて、治療をさせていただくようになり、とてもやりがいを感じる10年だったなと思います。東は長野県の木曽まで、北は岐阜県の高山まで、西は滋賀県の病院まで患者さんのお迎えに行ったことがあります。遠かったですが、良い思い出です。あと南は奄美大島から紹介で搬送された患者さんもいましたね。みんなお元気に家に帰られました。

医療講演もこのTAVIのネタでたくさん話をさせてもらい(今も継続中)、学会発表も数多くさせてもらって、論文を書くこともできましたし、人生で初めて新聞に記事を載せてもらうこともありました。こう振り返ると、たしかに私の医師人生でTAVIは切り離せないものになっていますね。

あとTAVIで大事なポイントは、“ハートチーム”で行う治療である、ということです。これが私のカテーテル医としての人生において非常に良いターニングポイントになったと思います。 “TAVIはチームで役割分担をして、みんなで行うもの”とよく言っていました(今もですが)。当日TAVIを行うときに直接関わる、心臓外科医、麻酔科医、手術室看護師、臨床工学技士、放射線技師は言うまでもありませんが、術後を見てくれる病棟看護師やリハビリスタッフ、術前後を含めて関わる薬剤師や検査技師や外来スタッフ、ソーシャルワーカー、医事課、医療連携スタッフなどすべてを含めて“ハートチーム”だと思っています。あと、意外と皆さんご存じないかもしれませんが、こういった他の病院では行えない“施設認定”が必要な治療って、けっこういろんな書類申請とか、術後のデータ入力がめちゃくちゃ大変なんです。これをいつも素早く確実にサポートしてくれる総務課スタッフやメディカルクラークにも非常に感謝しています。陰の立役者と言っても過言ではありません。こうして、長年携わって成長をもらった私がたどり着いた結果(さき)は“感謝”でした。

当院は大橋総長のリーダーシップもあり、心臓外科が強い病院です。そして、その周りの麻酔科医やコメディカルスタッフがすごくよく働いてくれます。心臓外科医は循環器内科医が救えない患者さんを救ってくれます。そういう心臓外科医がいることにより、できるカテーテル手術が増え、使える武器(カテーテル器具)が増えるので、結局我々カテーテル医が救える命も増えます。この、病院としてのチーム力を誇りにして、その“心”を大事にして、今後も自分がやれることをしていく次第です。

地域のみなさまへ、是非心臓血管疾患でお困りでしたら当院に頼っていただければ幸いです。

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