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2021.12.09 | Topics 

徳洲会心臓血管外科部会開催

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徳洲会心臓血管外科部会(心外部会)は10月31日、都内で第6回部会を開催した。コロナ禍のため昨年は中止、2年ぶりの開催となった。(徳洲新聞の記事より抜粋)

一般社団法人徳洲会の東上震一・副理事長(岸和田徳洲会病院総長)や心外部会の部会長を務める大橋壯樹・名古屋徳洲会総合病院総長をはじめ、12病院から計15人の医師が参加した。

当日は学術講演4題の発表を行ったほか、参加者が所属施設の現状や課題などを紹介、情報共有を図ったほか、今年始まった心臓血管外科症例データベースについての説明もあった。学術講演のうち3題は、日本胸部外科学会で発表した演題だ。

まず名古屋病院の山内博貴・心臓血管外科医師が「da Vinci手術、MICS手術におけるCOR-KNOT DEVICE(自動結紮器)の有用性」(学会演題)をテーマに発表。COR-KNOT DEVICEはチタンクリップで縫合糸の結紮を瞬時に行える自動結紮器。手術動画を供覧しCOR-KNOT DEVICEを使用したダヴィンチ補助下僧帽弁形成術や、重症大動脈弁閉鎖不全症に対するMICS-AVR(低侵襲大動脈弁置換術)の症例を紹介。「特に低侵襲手術のようなワーキングスペースが限られた状況下でも短時間で確実に結紮縫合できるため有用です」とまとめた。

 次に、千葉西総合病院の中山泰介・心臓血管外科医師が「心房細動に対する新しい外科治療(胸腔鏡下心房細動手術の取り組み)」をテーマに発表。心房細動を発症すると心房内に血液がよどみ血栓(血の塊)が生じることがあり、血流にのって脳に運ばれ血管につまると脳梗塞を起こすリスクがある。心臓の左心耳という部位に血栓ができやすいことが分かっている。

 同院が始めた心房細動に対する胸腔鏡下手術は、左心耳を切除し、あわせて心臓の外側からアブレーション(外科的焼灼術)を行う“ウルフ・オオツカ法”と呼ばれる治療法だ。症例を提示し、手術の工程などを丁寧に説明。「心房細動による脳梗塞で苦しむ患者さんがひとりでも多く助かるよう尽力したい」と結んだ。

 榛原総合病院の植木力・大動脈センター長は「DeBakey ⅢB型慢性大動脈解離におけるfirst-line treatmentとしてのTEVAR」(学会演題)をテーマに発表。大動脈の内膜に生じた裂け目に血液が流れ込む病態を指す大動脈解離は、位置や範囲に応じてⅠ型、Ⅱ型、Ⅲa型、Ⅲb型に分類される。Ⅲb型慢性大動脈解離に対するTEVAR(胸部大動脈ステントグラフト治療)の有効性を遠隔成績(術後しばらく経過した後の生命予後など)から検討。約40症例を検討した結果、胸部領域の大動脈拡大の累積発生率は比較的良好に制御されていた。植木医師は「比較的早期にTEVARを実施し、遠隔期に大動脈拡大をきたす症例には胸腹部領域の大動脈を人工血管に置換する治療戦略が有効です」とまとめた。

松原徳洲会病院の古井雅人・心臓血管外科部長は「心室中隔穿孔に対するdelayed surgeryのリスクとベネフィット」(学会演題)をテーマに発表。心室中隔穿孔(VSR)は、心筋梗塞により右室と左室の間の筋肉が壊死し穴が開くこと。急性心筋梗塞後のVSRに関しては外科的治療成績向上のため、delayed surgery(待機的手術)を推奨する報告が散見されるようになってきた。ただし、そのタイミングは議論の余地があることから、心筋梗塞後のVSR患者さん約40例を対象に、待機群(心筋梗塞発症から2週間後にVSRに対する手術を実施)と緊急群に分けて後方視的に検討。結果をふまえ古井医師は「待機することで感染のリスクは上がるものの、手術死亡および再手術率の改善が期待できます」と示唆した。

 この後、大橋総長が「徳洲会心臓血管外科症例データベース」について説明。これは、今年運用が始まったグループ内のデータベース。専用のテンプレートを使用して電子カルテに手術記事を入力することにより、電カルから心臓血管外科の手術一覧の情報を取得するときに、NCD(National Clinical Database=国内で実施された手術や治療などの全国規模のデータベース)へのアップロードに対応したCSVファイルを出力することができるなど業務効率化に資する。

 最後に東上・副理事長が閉会挨拶で「徳洲会グループの仲間として学術的なこと、技術的なことなど相互に教え合い、共有することを通じて、グループの価値を高めていきたい」と締めくくった。

 

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