ブログ

2018.01.22 | Topics 

あけましておめでとうございます2018

 

開設20周年を迎えて

 

 平成10年(1998年)より心臓血管外科を開設させていただき20年になりました。この20年間で8000例以上の手術をさせていただきました。同じ地域で長きにわたり心臓血管外科をさせていただいた経験と手術技術は私にとって貴重な宝であり、これからもこの地でさらに信頼できる心臓血管外科をめざします。

 昨年は、ステントグラフト、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)、経カテーテル左心補助心臓ポンプ(インペラ)を含め、循環器内科とのハイブリッド治療がさらに発展し確立した年となりました。TAVIが順調に経過する中で大動脈弁置換手術も逆に増加しました。冠動脈バイパス手術は116例と増加しました。ダヴィンチロボットによる内胸動脈グラフト採取を20例行い、その中で、左前下行枝病変に対してはより安全正確に小切開低侵襲心臓手術(MICS)手術が可能となりました。

 右肋間小開胸による僧帽弁手術(MICS手術)も昨年の16例を含め合計137例となり標準手術になりました。大動脈弁手術も昨年より本格的に開始し、右腋窩小切開にて直接縫着する方法で安全に行えるようになりました。経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)は2015年より開始し、計67例を超え、安定した成績を認めるようになりました。

 大動脈瘤手術は胸部109例、腹部68例で緊急が88例でした。そのうちステントグラフト治療が55例でした。また昨年はB型急性大動脈解離を49例経験しました。オープンステントグラフトの利用も100例を超え、弓部大動脈瘤から下行大動脈瘤に対して安全低侵襲で確実な手術を行えるようになりました。

 植込み型補助人工心臓手術認定施設となり6年が経過しました。 昨年よりカテーテルによる左心補助ポンプであるインペラを開始し、当院では2例に行いました。PCPSのみでは左室への後負荷に耐えられない重症急性左心不全症例に対してIABPと同じような手軽さで行えるインペラは今後さらなる需要が見込まれ重症心不全治療を内科外科で発展させてまいります。

 手術をさせていただいたにもかかわらず命を救えなかった患者さん、合併症で後遺症を残された患者さんも少なからずおられます。患者さんご家族様はもとより紹介していただいた医療関係者の皆様に大変申し訳なく思います。多く経験と反省をさせていただいき、今後手術をさせていただく患者さんをより多く救命しお役にたてるように精進してまいります。

 

web small IMG_0062

手術成績

心臓血管外科年報新聞12-08

▲ ページの先頭へ