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2015.07.21 | Topics 

TAVI(経カテーテル大動脈弁置換術)実施施設に認定されました

TAVI 経カテーテル大動脈弁置換術を開始

 

経カテーテル的大動脈弁置換術関連学会協議会よりTAVI実施施設に認定されました。

東海地区では8施設目、愛知県では5施設目であり、尾張地区東濃方面では当院が初めての施設となります。8月より実際の治療を予定しています。

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TAVIサイト ハイブリッド手術室

 

    1_エドワーズSAPIEN XT 生体弁 (23 mm) 4_エドワーズSAPIEN XT生体弁(留置)
TAVI用人工弁 大動脈に植え込まれた人工弁
   
11_経大腿アプローチ イラスト1 13_経大腿アプローチ イラスト2
大腿からのアプローチによる人工弁留置
 
12_経心尖アプローチ イラスト1 14_経心尖アプローチ イラスト2
心臓からのアプローチによる人工弁留置
 

TAVIについて

TAVI は2002年にフランスで始まり現在世界で10万人以上の患者さんに行われました。日本では2013年10月より保険診療で可能となりました。TAVIは 厳しい審査に合格した限られた施設でのみ行われてます。当院でのTAVIの実施は8月より開始し、しばらくは日本、世界からTAVI治療の経験豊富な先生 を招いて当院ハートチームと合同で行います。

TAVI では胸 を切らず人工心肺装置での体外循環、心臓停止での手術ではないため患者さんの負担が極めて少ない治療法です。しかし、実際の大動脈弁を丁寧に切除して手縫 いで装着する外科手術と違い、大動脈弁を一瞬で挫滅させて人工弁を固定させるため合併症も少なからずあります。脳梗塞(5%)、人工弁の隙間からの逆流、 大動 脈の出血、人工弁の移動、心筋梗塞等で10%程度の合併症と1-5%の死亡率と言われています。しかし人工弁、カテーテルの改良等によって合併症、死亡率 は減少傾向にあります。

 外科手術とTAVIの比較

 

  外科手術 TAVI
方法 胸を10cm切開し人工心肺装置にて体外循環心停止をさせて硬くなった大動脈弁を切除し手縫いで人工弁を留置する 大腿あるいは胸に数センチの切開しカテーテルを挿入して人工弁を留置する
時間 2時間~3時間(当院) 1時間~2時間
術後 人工呼吸でICUにで数日管理して各種の管で管理 数時間後には食事、歩行も可能
入院 10日~2週間 3,4日
合併症 脳梗塞、出血、創感染 脳梗塞(5%)、人工弁の隙間からの逆流、大動脈の出血、人工弁の移動、心筋梗塞等
利点 確実な人工弁の機能 侵襲が少ない
欠点 侵襲が大きい 確実性に欠ける、脳梗塞の合併
適応 誰でも可能 手術が不可能な高齢者、合併症、解剖学的に不可能な場合もある
不適応 手術が不可能なほどの超高齢者、体力元気のない患者 解剖学的に不可能な場合、他の心臓疾患も手術しないといけない場合

 

適応になる患者さん

 

重症大動脈弁狭窄症(大動脈弁口面積が1cm2未満)

ご高齢(概ね80歳以上)

過去に心臓の手術をされて再手術が困難な患者さん

呼吸機能、肝機能等が悪く心臓手術が難しい患者さん

 TAVIの適応とならない患者さん

透析患者

大動脈弁二尖弁

高度の大動脈弁逆流

重度の心不全、呼吸不全

末期の悪性疾患

高度の認知症

 

当院ではハートチームでのカンファレンスを行いかつ外部の審査委員会の審査も行い慎重に適応を決めています。

術前検査として心臓超音波検査、造影CT検査、冠動脈造影検査を必須として他に全身臓器機能検査を行い治療が必要か、手術が可能かTAVIが可能かを判断してどちらの方法が最も適しているかを決めます。

*現時点は人工弁を取り替える外科手術が標準であり、手術が可能な方は基本的にはTAVIの適応にはなりません。

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