診療科・部門

糖尿病網膜症について

はじめに

 当科は常勤医師1名、非常勤医師2名、視機能訓練士(ORT)3名での診療を行っております。
 診察日は平日月曜から金曜です。外来診療に加え、手術加療(白内障手術中心)、抗VEGF薬の硝子体内注射、各種レーザー加療を行っております。早期手術、加療が望ましい場合には関連病院である名古屋市立大学病院や近隣の医療機関へ紹介し連携をとって診療にあたっています。
 また当科の外来には糖尿病を罹患されている患者さんが多くいます。今回は、糖尿病網膜症についてお話いたします。

 

糖尿病網膜症とは

 糖尿病を罹患されている患者さんは網膜に病変(糖尿病網膜症)が出ることがあります。
 糖尿病網膜症は単純、増殖前、増殖の3段階で進行していきます。

 単純網膜症
 高血糖によって毛細血管障害が起き血管から血液が漏出して
 点状出血が生じたり、血液中のタンパク質、脂質が網膜に
 沈着して硬性白斑と呼ばれるものが出現します。
 物を見る中心部に網膜症が及ばない限り、自覚症状はありません。
 増殖前網膜症
 毛細血管の閉塞、神経のむくみや静脈拡張の所見がみられます。
 さらに新生血管の形成が始まっていきます。
 この段階でも自覚症状はありません。
 増殖網膜症
 網膜から新生血管が発生し、硝子体出血が出現します。
 進行すると網膜剥離を引き起こし、急激な視力低下をきたします。

 

病状の評価、加療について

 

 ❖精密眼底検査

  網膜を検査診察するため目薬(散瞳薬)を点眼して行います。

 

 

▲超広角走査
レーザー検眼鏡
(optos)

 ❖蛍光眼底造影
 (超広角走査レーザー検眼鏡(optos)を使用)

  網膜血管の異常を正確に把握するために、
  造影剤を静脈注射した後、眼底カメラで撮影する
  血管造影検査です。
  今後の治療方針の決定に必要不可欠です。

 

  ▲眼科用レーザー
光凝固装置
(PASCAL)

 ❖レーザー光凝固術

  糖尿病網膜症が進行していくと網膜から新生血管が
  発生してくるのを予防したり、すでに発生している
  新生血管を退縮させたりする治療です。
  増殖前網膜症に対して効果があります。
  当院ではレーザー装置(PASCAL)を使用して治療を
  しています。従来使用されていた装置よりも疼痛が
  少なく、組織へのダメージも少なくてすむという
  特徴があります。

 

 

 ❖硝子体手術

  硝子体出血が生じた場合には出血除去のため手術加療が必要となります。

 

おわりに

 はじめのうちは全く自覚症状がないため定期的な眼科通院を怠ってしまい、数年ぶりに眼科を受診され、糖尿病網膜症が知らない間に進行してしまっていたという患者さんが大変多いです。自覚症状が出た時には、かなり重症化しており、加療をおこなっても残念ながら視力の改善は得られず、最終的には失明に至ってしまうという場合もありますので、定期的に受診しましょう。

 

かすたねっと2021年4月号より

診療科のご案内

0568-51-8711

受付時間

午前診 8:00~11:30
(診療: 9:00~12:00)
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(診療: 17:00~19:00)

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