診療科・部門

肺がん

はじめに

 日本人の半数以上が生涯のうちに一度は「がん」を患うとされています。全ての「がん」の中で肺がんの罹患数は第3位とされています(第1位は大腸がん、第2位は胃がん)。しかし、死亡数については肺がんが第1位(75,394人、2019年)と報告されており、肺がんは治療の難しい病気といえます。自覚症状が出にくく、診断時にかなり進んだ状態となっていることが多いためと考えられます。

 

診断の方法

 肺がんの診断には病変部を採取し、検体を顕微鏡で観察し、がん細胞を検出することが必要です。病変の存在部位や大きさによって、検体を採取する方法は異なります(表1)。当科では気管支内視鏡検査、CTガイド下生検、局所麻酔下胸腔鏡検査による検体採取を行い、外科的肺生検は呼吸器外科で行います。毎年、30名程度の肺がんの患者さんを当科にて診断しています(表2)。

 

表1:肺がん診断のための検査方法

表2:当科での肺がんの新規診断数

 

肺がんの種類

 肺がんと言っても一律ではなく、大きく以下の4種類に分類されます(表3)。種類によって、病気の進行速度や効果のある薬剤が異なります。

 

表3:肺がんの種類

 

肺がんの進行度と治療方針

 病巣の大きさと存在部位、リンパ節転移の有無、他臓器への転移の有無の組み合わせで進行度が決まります。大まかですが、次の図1のようになります(『オンコロ:がんと・ひとを・つなぐ』https://oncolo.jp/cancer/lung-stageより引用)。
また、進行度に応じて、標準的な治療方針が定められています(表4)。当院ではおもに、Ⅰ期またはⅡ期の患者さんは呼吸器外科で、Ⅲ期またはⅣ期の患者さんは当科で診療を受けていただくことになります。

<図1>

表4:肺がんの治療方針

 

肺がんの薬物療養

 現在使用可能な肺がんの治療薬は3種類に大別されます。

 

①殺細胞性抗がん剤

 細胞が増殖するための遺伝情報であるDNAや、細胞が分裂するために必要な微小管の働きを阻害することで、がん細胞を破壊する薬剤です。俗に「抗がん剤」と呼ばれるのはこの種類の薬剤です。吐き気、血球減少、脱毛などの副作用が見られることがあります。

②分子標的薬

 がん細胞が特定の遺伝子異常を持ち、そのために無秩序に増殖している場合があります。この種類の薬剤は、異常を生じた遺伝子の働きを阻害することで、がん細胞の増殖を抑えます。特定の遺伝子異常を認めた場合にのみ、使用することが可能です。皮膚障害、肝機能障害、薬剤による肺炎などの副作用が見られることがあります。

③免疫チェックポイント阻害薬

 リンパ球によるがん細胞への攻撃力を高めることで、がん細胞の増殖を抑える薬剤です。薬剤による肺炎、肝機能障害、大腸炎、甲状腺機能異常などの副作用が見られることがあります。

 

 最近では、殺細胞性抗がん剤と免疫チェックポイント阻害薬を併用する治療も行われており、標準的な治療となってきています。当科では患者さんの状態に合わせて、これらの薬剤による治療を積極的に、おもに外来通院にて行っています。近年の当科での治療件数は以下の通りです(表5、6)。

 

表5:殺細胞性抗がん剤、免疫チェックポイント阻害薬での治療数

表6:分子標的薬での治療数

 

さいごに

 肺がんは厄介な病気です。患わないことが一番であり、要因である喫煙を避けることが大切です。しかし、万が一患ってしまった場合でも、最新のガイドラインに基づいて、適切な治療を提案いたします。近年、肺がんの薬物療法の進歩は目覚ましく、かなり進行した状態で診断されても、長期にわたって不自由なく生活できる人も多く見られます。咳などの症状が続く場合、胸部レントゲン検査で異常を指摘された場合には、当科にご相談ください。

 

かすたねっと2022年1月号より

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